現状を知る

老後のライフプランを考えたとき、たいていの人が、収入に不安を持つものです。その穴埋めをどのようにしていくかを考えるために、早めに老後のライフプランを練るのです。今の仕事にプラス仕事をするのか。夫婦で働くのかという選択肢もあります。それは、どれが正しいのかという答えはありません。それぞれ抱える事情の中で、自分にあった方法で計画を立てることが一番実行しやすいのです。

でも、やってはいけないことがあります。それは、投資やギャンブルです。男性に多いのですが、一攫千金を狙うというものです。そのために、今まで蓄えた資金を投資してしまってはいけません。投資やギャンブルは、負けるものだと思っていた方がいいのです。あれは、ひとつのビジネスです。投資話やギャンブルを仕事にしているのですから、必ずもうけを生み出します。ですから、かける方のお金が減るのです。小学生が考えてもわかる算数の問題です。うまい話をもってくる人は、慈善事業でやっているわけではないことは、誰でもわかっているはずです。

せっかく貯めた老後の資金を、丸々持って行かれたなんて話を、あなたも耳にしたことがあるでしょう。うまい話には乗らないことが大切です。それよりも、確実に収入が増える方法を考えましょう。老後間近になって、貯金を全額なくしてしまったなんてことになったら、もう取り返しがつきません。こういう一攫千金を狙うタイプの人は、十分に気をつけましょう。そういう人は、パートナーや家族にお金の管理を任せた方が賢いやりかたです。

ご結婚されていれば、老後も夫婦仲良くやっていきたいと思っているご主人は多いものの、奥さんのほうは、離婚して残りの人生を謳歌したいと考えているかもしれません。よくテレビドラマで見かけるシーンです。でも、これが現実に起きたら、どうしますか?退職金も半分持って行かれ、家もとられてしまったら。いくら計画を立てても、突然言い出されたら、もう修正不可能です。うちに限ってそんなことはないよ。という家庭に限って、というものです。

ですから、日頃から、確認しておくことは大切です。いきなり、どう思っているんだなんて聞いては駄目ですよ。私はこうしたいと考えているんだけど、どう思う?という風に、相手の意見をや反応を探ります。真剣に自分の話を聞いてくれて、賛成してくれたらその路線で進めばいいですね。もし反対されたら、とことん話し合うことです。だまって俺についてくれば良いんだなんて、間違ってもけんか腰にならないように気をつけましょう。そういうときは、話し合いです。お互い納得するまで話し合いましょう。こうすることでかえって夫婦の絆が深まることだってあるんです。その方が楽しい老後生活が送れそうですね。子供の手が離れ、これからは夫婦だけで生活するのです。お互い仲良くやっていけるように、したいものです。

できれば定年までに、夫婦共通の意見にまとまっていることが望ましいですね。お互いを思いやりながら、同じ方向を向いて生きていく人生って良いものだと思いませんか。老後をケンカをしながら過ごすのは、健康にもよくありませんから。

定年退職後、どんな道に進むのか、考えたことがありますか。あなたが、まだ20代30代なら、考えていなくもいいのですが、40代であればそろそろ考えてみるのも良いでしょう。50代であれば、すぐに考え始めるのが得策です。人生長いですから、定年後の人生は30年から40年、それ以上の人もいます。あなたが会社に勤めていたのと同じくらいの年月があるのです。しかも、一度社会に出ているのですから、ほかの仕事を選べば良かったとか、最高の仕事だったとか、自分のやってきたことに、何かしらの感想をもっていると思います。定年後は、人生の終わりではありません。心に残っていることを、やり直すチャンスでもあるのです。

そのためには、今まで自分がやってきたことや取得した資格などを書き出しましょう。自分は大したことない人間だと思っている人は多いものです。しかし、40年仕事に携わってきたのですから、何かしらの得意分野があるでしょう。自分では気づいていないこともありますから、家族や友人に聞いてみるのも良いですね。意外と周りの人の方が、自分のことをわかってくれているのです。

このようにして、定年前に、自分が進むべき道を、じっくり時間をかけて考えていきます。できれば、本当に自分が好きなことを楽しみながら仕事にできたら楽しい老後になると思いますよ。そうするためには、できるだけ、早いスタートで老後のことを考え始めることが大切なのです。

将来の計画はうまくたてられましたでしょうか。ここで将来の収入についてですが、多くの方は年金に頼ることになると思います。いまや年金もいくらもらえるか、年金の定期便で送られてくるので、だいたいもらえる金額は察しがつくようになりました。それはいいのですが、問題はいつ改正されるかわからないということです。受け取り開始年齢が先送りされるかもしれません。そうなったときに、今の計画では、生活できなくなるかもしれませんね。ですから、年金だけに頼るのは、好ましくありません。

消費税も心配の種ですね。今の日本の現状を考えれば、どこまで上げられてしまうのかわかりません。ですから、多少の余裕を持って計画しておくことが必要です。

消費税だけではなく、もうわけのわからない税金が新たにつくられる可能性さえ考えられます。いったい日本はどうなってしまうのか、腹立たしくもなりますが、そのことに文句をいっても時間のむだです。自分のことは自分で守るとう気持ちで老後の準備をしていくことが大切です。

さて、ご自分の収支についての現在と将来について、だいぶ自覚されてきたのではないでしょうか。特に、現状の把握は、もうしっかりされたことと思います。

今後の計画については、考えるだけでもいいのですが、せっかくですから表にまとめてみるのもおすすめです。表に記入するのは、いつ誰にいくらかかるのかを年表にしていくのです。この方法は、自分の目標を明確にして、実現させるのによくつかわれます。作り方は簡単です。横軸に西暦を入れ、縦軸に家族の名前を入れます。何年に、誰が何歳になるのか、記入していきましょう。一年に一歳年をとるのは当たり前のことですが、記入することによって、現実味をおびてくることでしょう。幾つまでに何をすればいいのか、考えるようになります。

そして、それぞれのイベントも記入していきましょう。たとえば、お子さんがいれば、入学や卒業などを記入します。何年まで教育費が必要なのか予定がたちます。家のローンは何歳まで払うのか、それまで現役で働いている必要があります。車を持っていれば、車検や買い替え時期も記入していきます。

こうして自分の生涯の計画をまとめれば、今、何をすればいいのか、見えてくるはずです。余裕だなと思う人、このままじゃヤバイと焦る人、いろいろいらっしゃると思いますが、計画を立てているのと立てていないのでは、心の余裕がまったく違ってきます。もし、ヤバイと思ったのであれば、支出や収入を見直せばいいのです。

お小遣い帳をつけ始めたら、最低でも3ヶ月がんばって続けてみましょう。そして集計します。いかがですか。自分の出費の傾向がわかったのではないかと思います。むやみやたらに節約するのはつらいですが、現状を把握できれば、意外と楽しく節約することができます。

それぞれ生活スタイルが異なるので、食費は何パーセントまでということはいえませんが、自分で客観的に考えて、多すぎると思うのであれば、改善しましょう。たとえば、コンビにでの出費が多いと思ったら、毎日買っていたペットボトルをマイボトルの変更するというだけでも、節約になります。

現状がわかったら、次は予測をしましょう。いったい、今後、何にいくらかかるのかを予測します。たとえば、年をとれば若いころより小食になることが予測できます。会社を退職して、家にいることが多くなれば、コンビニに寄る回数も減るかもしれません。このように、自分の生活パターンを想像しながら、考えてみましょう。特に、子供がいる人は、子供にかかる費用がかからなくなります。特に教育費は大きな出費ですから、だんだんと支出が減りますね。

年をとれば出費が少なくなるというふうに思われるかもしれません。確かに、全体的にみれば活動範囲も狭くなりますから、あまりお金は使わないかもしれません。しかし、増える費用項目もあります。たとえば医療費です。100歳まで医者にかかったことはないという人は、珍しいのではないでしょうか。年をとれば体にガタがきて医者にかかるようになることが予測できます。このように、将来の支出の予測を立てていきます。

老後の生活設計は、まず現状を把握するところからはじめることはおわかりいただけたと思います。そしてそのためにやる第一の段階は、収入と支出を把握することでしたね。その最も簡単な方法をご紹介しましょう。それは、家計簿やお小遣い帳をつけることです。面倒くさいと思われると思いますが、まとめて記帳すれば意外と簡単です。今まで、つけてはみたけど、三日坊主に終わった人も大丈夫です。毎日、しっかりつけようとするから続かなかったのです。これは、大体の支出の内訳を知るためにつけるのです。1円違ったからといって、何度も計算しなおす必要もありません。安心して取り掛かってみてください。

毎日の生活で、お金を支払ったら、レシートをもらっておきます。それを、費用項目ごとに袋を作って、入れておけばいいのです。食費・交通費・交際費・書籍・携帯代など人それぞれで項目も違ってくるでしょう。お茶は食費?交際費?など細かいところは気にせずに、思ったようにまずは一ヶ月チャレンジしてみましょう。一ヶ月が終わったら、集計してみます。ここで費用の項目を見直すのもいいでしょう。すべてを食費に入れてしまったために、食費がダントツ費用が高かったということになると、精神的によくありませんからね。でも、多少は見直さなければという気持ちになるかもしれません。それはそれでいいことですから、気に留めておきましょう。気に留めるだけで、出費に歯止めがかかります。

しかし、この作業はあくまでも自分自身の把握のためです。誰に見せるわけではないので、気軽につけるのが一番です。

この作業を数ヶ月続けてみると、自分の支出の傾向がわかると思います。どの費用が一番支出が多いのかわかりますね。もしかしたら、使いすぎに驚くかもしれませんね。

老後の計画を立てようといっても、いったい何から始めたらいいのかわからない人も多いのではないでしょうか。そういう人は、まず、現状を知ることから始めましょう。

さすがに収入がわからないという人はいないと思いますが、支出がわからないという人は意外と多いものです。特に、支出の内訳については、家計簿でもつけていない限り、把握できていないのがほとんどです。食費にいくら使っているのか、交際費はいくらか、など何にいくら使っているのかを把握するのはとても大切です。

なぜ、支出を細かく分けるのかというと、節約するというと抵抗のある人が多いためです。節約という言葉を聞くと、なんだか生活が不自由になるような感じませんか。好きなものを我慢しなくてはいけないのかと思ってしまいます。そんなどうなるかもわからない老後のために、今を我慢するのはまっぴらごめんだというのが本心でしょう。ですから、支出を見直すのです。ついつい必要もないのに買ってしまうものはないでしょうか。ある項目だけ突出しているなんていう気づきがあるかもしれません。それらの洗い出しをおこなうのです。無理をして節約しても、それは苦しみにしかなりません。楽しく節約してこそ、楽しい老後が待っているのです。

先ほど、平均寿命の話を挙げました。これはあくまでも平均です。男性なら80歳、女性なら85歳までの生活設計を立てておけばいいのか、というとそうではありません。寿命が短い分には、生活設計においては問題ありませんが、長生きした場合は、大変なことになります。長生きすることは、ありがたいことではありますが、生活費がなかったらお手上げです。生きていくのがつらくなります。

では、何歳までの生活費を計画しておけばいいのでしょうか。それは最低でも90歳まで、できれば100歳まで生きるという前提で設計しておくことが望ましいと考えられます。そんなに長く?と思われるかもしれませんが、あなたも100歳まで生きる可能性は十分にあるのです。100歳以上の高齢者は2010年には44000人、2011年には47000人と毎年3000人ずつ増えているのです。ですから2012年には5万人前後という予想ができます。(ちょうど2012年の100歳以上の高齢者の統計がでたので発表しますと、2012年の現在で51376人だそうです。)いまや、100歳を超える人は珍しくないということです。あなたが100歳に近づくころには、100歳は当たり前になっているかもしれないのです。ですから、あなたが100歳まで生きる可能性は十分にありうるということです。

現役世代なら、生活費が足りなくなったら、働けばいいという考えもありますが、高齢者になると、なかなか足りない分を働いて補うということが難しくなります。ですから、何とかなるさという考えは甘いといえそうです。 お金を借りるという考えもありますが、収入の見込みがない人に貸してくれるところはありません。ですから、働けるうちに生活設計はしっかりとしておく必要があるのです。

あなたは、老後のライフプランを立てていますか。

今現在のことで精一杯だから、そんな先のことは考えられないという方もいらっしゃるかもしれません。 でも、考えても見てください。平均寿命だけでもどんどん長くなっています。およその平均寿命ですが、男性で80歳、女性で85歳くらいです。この寿命まで、あなたはあと何年ありますか?もちろん、平均ですからそれより長い人も短い人もいます。残念ながら、平均寿命まで届かなかった人は、それはそれで心配は必要ありませんね。でも結果必要なかったということですから、平均寿命までの備えは考えておくべきでしょう。

運よく平気寿命を超えて、長生きをした場合、そのときの生活費のことを考えていますか。お金が必要なら働けばいいという、安易な考えは通用しにくくなる年齢です。自分はまだ働けると意気込んだところで、採用されなければ働けません。採用する側になって想像してみてください。80歳を超えた高齢者を採用しますか。賃金には最低賃金というものが決められています。高齢者だからといって、決められた賃金より低くはできないのです。

では、生活費用をどのように生み出したらいいのでしょうか。 サラリーマンでしたら、会社を定年退職後、収入がありません。年金というものもありますが、年金だけで生活を送れる人は現役時代に高額の収入があった人だけです。年金生活という言葉も死後になってしまうかもしれません。 老後を安心して送るためには、若いうちから計画を立てておかないと、大変なことになってしまいます。若いうちから、生涯におけるライフプランをしっかりと考えておきましょう。